皆さんこんにちは。今回は、サーフィンの中上級者向けハウツーとして、ボトムターンで「溜める」とはどういうことかを詳しく解説していきます。
サーフィンをある程度続けていると、一度はこんな言葉を聞いたことがあると思います。
「もっとボトムターンで溜めた方がいいよ」
「リップしたいなら、ボトムで待てないとダメだよ」
ただ、実際にそう言われても、「溜めるって何?」と感じる方は多いはずです。言葉としては何となく分かっても、動きとして理解できていないと、なかなか自分のライディングには落とし込めません。
実際、僕自身も若い頃に何度も「ボトムで溜めろ」と言われてきました。しかし当時は、その意味がよく分かりませんでした。トップターンや緩いカットバックはできても、掘れたセクションにしっかり当て込むオフザリップがなかなかできない。そんな時期がずっと続いていました。
そこで今回は、ボトムターンで溜めれていない動きと、しっかり溜めれている動きを比較しながら、中級者が上級者へ上がるための大事な感覚を整理していきます。
☑ ボトムターンで「溜める」とは?
まず結論から言うと、ボトムターンで溜めるとは、ターンに入るタイミングを少し遅らせ、トップが掘れてくるまでボトムで時間を作ることです。
この説明だけだとまだ抽象的かもしれません。もっと分かりやすく言うと、早くトップに行きたい気持ちを抑えて、ボトムでしっかり耐えながら、当てるべき場所ができるまで待つということです。
多くの中級者は、ボトムに降りた瞬間にすぐターンをしてトップに上ろうとしてしまいます。すると、波のトップがまだ掘れ上がっていないうちに上へ上がってしまい、結果として浅いトップターンやスラッシュで終わってしまいます。
本来、派手なオフザリップや鋭いトップアクションを入れたいのであれば、トップがしっかり掘れてくるタイミングに合わせて板を持っていかなければなりません。そのために必要なのが、ボトムでの「溜め」です。
☑ 溜めれていないボトムターンの特徴
では、ボトムターンで溜めれていない時は、どんな動きになっているのでしょうか。
典型的なのは、ボトムに降りる段階で前足に荷重しすぎている状態です。

早くボトムに降りよう、早く返そうという意識が強すぎると、重心が前に入りすぎてしまいます。その結果、板が速くボトムにおりすぎてしまい、トップへ上がるタイミングも速くなります。
これの何が問題かというと、波の一番おいしい場所がまだできていない段階でアクションに入ってしまうことです。

本人としては「ちゃんとボトムターンしているつもり」でも、実際にはターンが浅く、技をかける場所に到達する前に板を返してしまっている。だから、オフザリップにはならず、トップターン止まり、あるいは少し流しただけの返しになりやすいのです。
これは非常にもったいない状態です。波のポテンシャルを使いきれず、自分の技術も十分に発揮できません。
☑ 溜めれているボトムターンの特徴
一方で、ボトムターンでしっかり溜めれている時は、見た目にも違いが出ます。
まず、ボトムへ降りる時点で必要以上に前足に乗っていません。焦って板を返そうとせず、いったんまっすぐ降りていくような感覚があります。

そして、ボトムに降り切ったところで、体勢を低くしながらぐっと耐えます。
この時に大切なのは、無理に踏み込みすぎることではありません。むしろ、膝をしっかり曲げて上半身も少したたみ、板が勝手に上へ走っていかないようにコントロールすることが重要です。
ここで時間を作れると、波のトップがちょうど良いタイミングで掘れてきます。そこで初めて踏み込み、狙ったセクションに鋭く当て込めるわけです。

つまり、溜めれているボトムターンは、ただ「長くターンしている」のではありません。トップの良い位置に合わせるために、下で時間をコントロールしているのです。
☑ 中級者が勘違いしやすいポイント
ここで一つ大事なのは、「溜める=止まる」ではないということです。
中級者の方の中には、溜めようとするあまり、動きが鈍くなったり、単純に減速してしまったりする人がいます。しかし、それでは意味がありません。
ボトムターンで必要なのは、勢いをなくすことではなく、タイミングを合わせることです。速すぎるターンを少しだけ我慢して、波の掘れ方にライディングを合わせます。
また、タイミングを合わせるだけでなく、ボトムで体を折りたたむ様にして時間を稼ぐ。
これも「溜める」という要素の1つです。
☑ ボトムターンで溜めるための意識
では、実際にどう意識すれば良いのでしょうか。ポイントはシンプルです。
☑ ボトムに降りる時に焦って前足へ乗せすぎない
☑ すぐにボトムでターンしようとせず、いったん下で耐える
☑ 膝を曲げて体を縮め、時間を作る
☑ トップが掘れてくるタイミングを待ってから前足の重心を抜く
☑ 「早く返す」ではなく「良い場所で返す」を優先する
この意識でライディングの質はかなり変わります。
特に、普段から「技を急ぎすぎる癖」がある人には効果的です。サーフィンでは、速く動くことが常に正解ではありません。むしろ、必要な場面で少し待てる人の方が、結果的に派手で深いアクションを入れられます。
☑ どんな波で練習すると習得しやすいか
ボトムターンで溜める感覚を身につけたいなら、なるべく練習しやすい波を選ぶことも大切です。
おすすめなのは、胸〜肩くらいのサイズがあり、ある程度掘れるセクションができる波です。テイクオフからしっかりスピードが出て、トップに当て込める形がある波の方が、タイミングを合わせる練習には向いています。
逆に、パワーのない波や、セクションがすぐ潰れてしまう波だと、そもそも「待つ」時間や「合わせる」余裕が少なく、感覚を掴みにくいことがあります。
もちろん、どんな波でも意識することはできますが、本気で上達したいなら、波選びも妥協しない方がいいです。朝一の良い時間を狙ったり、地形の良いポイントへ行ったり、時にはサーフトリップをすることも大きな成長につながります。
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☑ よくあるQ&A
Q1. ボトムターンで溜めるとスピードがなくなりませんか?
スピードが無くなってしまう方はどちらかの足に荷重が寄りすぎてるかもしれません。少し内股の意識で前足と後ろ足の間くらいに重心が乗るようにしましょう。
Q2. ボトムターンの荷重は前足と後ろ足どっちが正しいですか?
前足と後ろ足の間に荷重させるくらいが良いです。徐々に前足付近から後ろ足に荷重を移動させながらボトムターンするイメージですね。
Q3. どのレベルの人に必要な技術ですか?
特に中級者が上級者へ上がる段階で重要です。トップターンやカットバックはできるけれど、オフザリップが浅い、当て込みが甘いという人にはかなり大事なテーマです。
☑ まとめ
サーフィンにおけるボトムターンで「溜める」とは、単に長くターンすることでも、我慢して止まることでもありません。トップが最も良い形になるタイミングまで、ボトムで時間を作り、狙った場所に合わせる技術です。
この感覚が身につくと、これまでトップターンで終わっていた波でも、しっかりリッピングやオフザリップへつなげやすくなります。つまり、見た目の派手さだけでなく、ライディング全体の質が一段上がるわけです。
中級者の方が上級者へステップアップするうえで、ここは本当に大きな分かれ道になります。もし今、技が浅い、当て込みが甘い、掘れた場所に合わせられないと感じているなら、原因はボトムターンの速さにあるかもしれません。
ぜひ次に海へ入る時は、
「良い場所に当て込むためにボトムで溜める」
この意識で練習してみてください。
そこが変わると、トップアクションは確実に変わってきます。
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